ChatGPTのo3・DALL·E GPTが今週相次いで廃止され、対応を迫られた方も多いのではないでしょうか。SalesforceとAnthropicの提携やGoogle Chatへの生成AI統合など、業務ツールへのAI組み込みも着々と進んでいます。2026年8月24日(月)〜8月30日(日)に発表された生成AIニュースの中から、実務への関連度が高いトピックを厳選し、10分で総ざらいできるようまとめました。
今週(8/24〜8/30)の生成AIニュースを10分で総ざらい
対象期間は2026年8月24日(月)〜8月30日(日)です。今週はOpenAI・Anthropic・Google・xAI・ソフトバンクから発表された生成AI関連ニュースの中から、実務への関連度が高い計7件を厳選して取り上げます。単なる出来事の要約にとどまらず、データ分析・業務効率化の現場にどう関わってくるかまで解説するのがこの記事の狙いです。
特に、ChatGPTのo3モデル廃止とDALL·E GPT廃止は、対象期間中に実際に対応を迫られた実務者も多いニュースです。該当するユーザーが取るべき対応まで整理していますので、心当たりのある方はぜひチェックしてください。
なお、前週(8/17〜8/23)分のニュースは「10分でわかる生成AIニュースまとめ(8/17〜8/23)」の記事で振り返れます。
OpenAI関連ニュース — 独自推論チップ公開と相次ぐ機能廃止
今週OpenAIからは、独自推論チップに関する技術発表が1件、ChatGPT上の機能廃止が2件発表されました。技術発表は将来的な性能・コストに関わる話である一方、2件の廃止ニュースはすでにChatGPTを使っている実務者が対応を検討すべき内容です。まずはこの3件を順番に見ていきます。
独自推論チップ「Jalapeño」の初ベンチマーク結果を公開
OpenAIが自社開発の推論チップの性能を初めて公開しました。今すぐ実務に影響する話ではありませんが、将来的なAPIコストや応答速度に関わる基盤技術のニュースとして押さえておく価値があります。
- OpenAIがBroadcomと共同開発した独自推論チップ「Jalapeño」の初のベンチマーク結果を、Hot Chips 2026カンファレンスで公開
- SemiAnalysisのInferenceXベンチマークにおいて、既存の最先端推論プロセッサよりユーザーあたりトークン数・kWあたりスループットともに上回ったと発表
- 2026年後半に限定的な初期展開を行い、2027年により広範囲に展開する計画
実務への直接的な影響は現時点では限定的です。ただし、こうした推論基盤の効率化は、将来的にOpenAI製品のAPIコスト低下や応答速度向上につながる可能性があるため、中長期の視点で頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
ChatGPTからo3モデルが正式廃止 — 実務者が取るべき対応
2026年5月28日に予告されていた90日間の移行期間が終了し、o3モデルがChatGPTから正式に廃止されました。データ分析や業務でo3を使っていた方は、対応の要否を確認しておく必要があります。
- 2026年5月28日に予告された90日間の移行(サンセット)期間を経て、o3モデルファミリーがChatGPTから正式に廃止
- ChatGPT上のみが対象で、API側のo3提供は2026年12月11日まで継続予定(gpt-5.6-solへの置き換えを予定)
- o3-proはPro/Team/Enterprise/Edu向けには引き続き提供
- GPT-5系への移行に伴い、一部ユーザーから応答トーンの変化やツール利用時の不具合報告あり
ChatGPT上でo3を使っていた場合はGPT-5系への移行が必須ですが、APIを直接利用している場合は2026年12月11日まで猶予があります。
データ分析・業務でo3を使っていた場合、ChatGPT上ではGPT-5系への移行が既に必須になっている一方、APIではまだ猶予がある点を整理しておくと、業務フローやプロンプトを見直すタイミングを判断しやすくなります。
ChatGPT公式「DALL·E」GPTが8/30に廃止 — 画像を失わないための対応
ChatGPT内の公式「DALL·E」GPTが2026年8月30日をもって廃止されます。過去に生成した画像を失わないための対応と、廃止後の画像生成の使い方を整理します。
報道によれば、対応は次の2ステップで進めるとよいとされています。
- 廃止日(2026年8月30日)までに、ChatGPT内の「DALL·E」GPTで生成した画像をダウンロードして保存する
- 廃止後は、ChatGPT Images(標準の画像生成機能)を使って画像生成を継続する
- 画像生成機能自体がなくなるわけではなく、ChatGPT Imagesへ一本化される形での廃止
- ユーザーが自分で作成したGPTで画像生成を有効にしているものへの影響はない
- OpenAIによるChatGPT機能の統合・整理の一環
廃止対象はあくまで公式の「DALL·E」GPTであり、画像生成機能そのものが使えなくなるわけではない点に注意してください。
資料作成やプレゼンでDALL·E GPTの生成画像を活用してきた業務フローがある場合は、廃止前の画像保存とChatGPT Imagesへの切り替えを早めに済ませておくことをおすすめします。
Anthropic関連ニュース — 研究者支援拡大とSalesforce提携「Claudeforce」
今週Anthropicからは、研究支援プログラムの拡大と、大手SaaSベンダーとの戦略的提携という、方向性の異なる2つのニュースが発表されました。いずれも、研究や業務でのClaude活用のハードルを下げる動きです。
研究者向けClaude Teamプラン無償・割引開放
大学・非営利研究機関の研究者を対象に、Claude Teamプランの利用条件が大きく引き下げられました。研究データの分析にClaudeを使いたい研究者にとっては、導入コストを下げられるチャンスです。
- 2026年8月27日、Anthropicが大学・非営利研究機関の研究者向けに、Claude Teamプランの無償席・割引プレミアム席(月15ドル、通常より80%割引・1年間固定)を提供開始
- 生物学分野限定だった「AI for Science」クレジットプログラムを数学・化学・物理など全科学分野に拡大し、最大5万ドルのAPIクレジットを提供
- 政府関連機関向けの最上位制限モデル「Mythos」アクセスプログラムが、ライフサイエンス分野で最初の参加者を受け入れ
- 今後数ヶ月でプログラムを1万席以上にさらに拡大する意向
大学・研究機関に所属するデータサイエンティストにとっては、Claude Teamの活用コストを大きく下げられるタイミングです。Claude Code自体の基礎や、CSVデータ分析・SQL/MCP連携といった実務での活用イメージについては、本ブログのClaude Code関連の解説記事・検証記事もあわせて参考にしてください。
Salesforce×Anthropic「Claudeforce」提携 — 営業・CRM業務へのAI統合
SalesforceとAnthropicが「Claudeforce」という名称で提携を拡大しました。CRMデータをチャットベースで扱えるようになる、双方向の統合が特徴です。
- SalesforceとAnthropicが「Claudeforce」という名称で提携を拡大し、Claudeの推論能力とSalesforceのエンタープライズ基盤(データ・ワークフロー・ガバナンス)を統合
- 「Salesforce in Claude」: Claude CoWork向けに37種類の営業スキルを事前搭載し、Salesforceを開かずにCRMデータの照会・更新・アクションが可能
- 「Claude in Salesforce」: ClaudeがAgentforce(Atlas Reasoning Engine、Agentforce Vibes、Agentforce Coworker)やSlackの標準推論モデルとして採用
- Salesforce in Claudeは一部パイロット顧客向けに提供開始、2026年9月にオープンベータへ移行予定
「Salesforce in Claude」(Claude側からSalesforceを操作する)と「Claude in Salesforce」(Salesforce側がClaudeを推論エンジンとして使う)という2方向の統合になっている点が今回のポイントです。

CRMデータの照会・更新をチャットベースで完結できるようになることで、営業データの集計やレポーティングといった業務の効率化余地が広がりそうです。
Google「Ask Gemini in Chat」ロールアウト開始 — 業務チャットへのAI統合
Google Chatに生成AIを統合する新機能「Ask Gemini in Chat」の展開が始まりました。機能自体の発表は2026年8月19日と対象期間より前ですが、実際のロールアウト開始日は対象期間内の2026年8月26日にあたるため、今週のニュースとして取り上げます。
- 2026年8月26日より、Google Chatの新機能「Ask Gemini in Chat」の展開を開始(発表自体は8月19日、機能ロールアウト開始日が8月26日)
- Workspace Intelligenceを活用し、Gmail・Drive・Calendarなど社内データの横断検索、画像生成、重要な更新のドラフト作成などをChat内で完結できる統一コマンドラインを提供
- 会話の要約、タスク管理、会議のスケジューリングなどもサポート
- 当面はGoogleアカウントの言語設定が英語のユーザーのみが対象。Business Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Google AI Pro for Educationなどの対象プランで利用可能。2026年10月1日まではプロモーション期間として利用上限が緩和
対象は当面英語アカウントのみです。日本語アカウントで利用している場合は、対応プランや今後の展開時期を確認しておくとよいでしょう。
社内情報検索や議事メモ作成をチャット上で完結できるようになることは、日常的な情報収集業務の効率化に直結します。対象プランや言語制限を踏まえつつ、導入を検討するタイミングとして意識しておきたいニュースです。
xAIのGrok 4.6が主要エンタープライズクラウドへの展開を完了
2026年8月12日にリリースされたGrok 4.6が、対象週に主要なエンタープライズクラウド基盤への展開を完了しました。なお、この情報源はxAI公式の一次情報ではなく、業界ウォッチ系ブログの記事であるため、以下の内容は参考情報として捉えてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル | Grok 4.6(1.5兆パラメータのV9基盤) |
| 展開先 | Google Vertex AI・Microsoft Foundry・Amazon Bedrock・GitHub Copilot・Cursor |
| コンテキストウィンドウ | 50万トークン(Cursor上では25.6万トークン) |
| 推論レベル | 4段階設定に対応 |
| 対応機能 | 関数呼び出し・Web検索・X検索・コード実行・RAG・リモートMCP |
| 価格(100万トークンあたり) | 入力2ドル、キャッシュ0.5ドル、出力6ドル |
| セキュリティ | SOC 2 Type 2準拠、HIPAA整合 |
既存のクラウド基盤(Vertex AI・Bedrock・Foundryなど)上でGrok 4.6を利用できるようになったことで、既存の業務システムに追加コストを抑えて導入検討できる選択肢が増えたと言えそうです。ただし、繰り返しになりますが情報源が二次情報であるため、導入を検討する際は各クラウドベンダーの公式情報も併せて確認することをおすすめします。
ソフトバンク「メンタリ」提供開始 — 国内発、教育現場のAI活用事例
ソフトバンクが2026年8月27日、生成AIを活用して教師による生徒のこころのケアを支援するサービス「メンタリ」の提供を開始しました。海外発のニュースが多い中、国内発かつ教育分野という異色の事例として紹介します。
- ソフトバンクが2026年8月27日、生成AIを活用して教師による生徒のこころのケアを支援するサービス「メンタリ」の提供を開始
- 学校生活における悩みやいじめなどについてのアンケートの作成・回収・分析をシステムで一元化し、自由記述を含む回答内容をAIで分析
- AIキャラクター「モフ」がチャット上で助言はせず傾聴に徹し、生徒自身が悩みを整理できるよう支援
- 小中高校が対象で、効果検証のため当面は無償提供。紙ベースのアンケート運用やスクールカウンセラー不足という学校現場の課題への対応を狙う
自由記述アンケートをAIで分析し、早期に傾向を把握するという仕組みは、企業の顧客アンケートや従業員サーベイの自由記述分析にも応用できる考え方です。教育分野の事例ではありますが、業務効率化担当者にとっても参考になる事例と言えるでしょう。
まとめ — 今週特に重要だった3つの動き
対象期間(8/24〜8/30)は、実務に直結する移行対応から、業務システムへのAI組み込み、国内独自の活用事例まで、幅広いニュースが発表された1週間でした。特に押さえておきたいポイントを3つに絞って振り返ります。
- ChatGPTのo3廃止・DALL·E GPT廃止: 対象期間中に実務での移行対応が必要になった、最も直接的な影響のあるニュースです。ChatGPT上でo3やDALL·E GPTを使っていた場合は、GPT-5系への移行やChatGPT Imagesへの切り替えを確認しておきましょう。
- 業務システムへのAI組み込みの進展: SalesforceとAnthropicの「Claudeforce」、GoogleのAsk Gemini in Chatなど、CRMや社内チャットにAIを組み込む動きが加速しています。日常業務のワークフローに近いところでAI活用が進んでいる点に注目です。
- 国内発・特定業種向けの活用事例: ソフトバンク「メンタリ」のような国内発の事例は、海外ニュース中心では見えにくい応用のヒントになります。自社の業務効率化にどう転用できるか、という視点で眺めてみると発見があるかもしれません。
次回(9月前半分)の週刊まとめ記事でも、実務に関わる生成AIニュースを引き続きチェックしていきます。前週(8/17〜8/23)分のまとめも、あわせてご覧ください。











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